マウィミウオの世界

美魚の生活雑記録

時代はプレステ2

安魚はプレステ2のサルゲッチュが大好きだ。シリーズソフトを100円で買って貰って、漁太郎に教わりながら朝から晩までサルゲッチュなのである。カケル ヒカル サヤカ ナツミ サトルなんである。
漁太郎は3歳8ヶ月の安魚にスパルタ指導。
「なにやってんだよ!クッキー取れよ!洋服取れよ!行けよ!右だよ、右ー!逆ー!飛びトンボだろ!変身しろよ!今変身しても意味ない!自分でやれよ、そっちもう猿いないよ!あーもうなにウジウジしてんの、やれよ、敵も倒せよ、ちゃんとそーゆーのも取れよ!ちがーう!だから言われた通りやれよー!」
漁太郎がウッキーファイブや、難しい面をクリアして、安魚もコントローラを激しく操作して猿をゲッチュ。
美魚はあんまり興味ない。凄いなとは思う。怒鳴られても安魚はへっちゃらだ。これが柔道とか、卓球などスポーツなら褒められるんだろな。若しくは芸事一般、伝統芸能とかのスパルタ指導。

褒められると言えば、安魚はよく人から
「3歳!しっかりしてますねー」
と褒められる。
初対面でも他人と会話が出来るからなんだと美魚は思う。
「安魚は黄金アンギョだからねー」
「安魚はほんとは猫がたロボットなんだよ」
「だから強いんだよ」
「はー、しっかりしてるわー」
でも、なに言ってるか他人には分からないだろう。
戯言をいう姿が可愛い。バカ親だ。


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夢の中の神社

美魚は時々神社の夢を見る。境内を歩いていたり、この先は神社だな、と感じている夢が多い。
先日は、小さな神社に手を合わせて、

「私の絵が売れますように、喜んで買ってもらえますように」

と祈っていた。
拝殿に入ると、こじんまりしているが、色々な開運グッズや御守り、おみくじなどが並べられていて、好きなだけ貰ってもよい。美魚はポケットをパンパンにして、神社を後にした。
 
目が覚めて、しばらく夢を反芻した。
以前白い龍神の夢を見たときも、美魚は

「絵が上手くなりますように」

と、額付いて祈っていた。

目が覚めているときは物欲の固まりで、それ(金で買える幸せ)しか考えていないのに、実際に神社を詣でても、引越しばかり祈るのに、何故、夢の中ではその事を願わないのだろう。

宝くじに当たるほうが、金持ちになる可能性がある。
美魚の絵で下北沢に家が買えると、信じられるだろうか。
もし、本当に思考は現実化すると信じられれば、マウィミウオは富の源泉になるはずである。

f:id:mauymiuo:20171204091411j:plain限界状況なんて存在しない。乗り越えられるんだ。
投企せよ!
人間はなりたい人間になる!
アンガジュマン!
二十歳くらいでは信じていた。わりと未だに信じていたりする。

気前のよい安魚の国

漁太郎が仕事を始めたので、美魚はまた安魚と二人である。
この頃は本当に私たちは金持ちで、働く必要なんてないと思い始めている。
漁太郎にそんなこと言うと怒られるので黙っている。

安魚の国は今も健在で、安魚はしょっちゅう
「そうだ!安魚の国でパーティーやってるんだ!」
とか言って毎日騒いでいる。
安魚は美魚に向かって
「おかん。安魚の国では何でも願い事が叶うよ!欲しいもの言って!」
「じゃあね、新しい家」
「叶うよ!あとは?」
「じゃあね、大きなダイヤモンド」
「叶うよ!あとは」
「ヴィヴィアンのコート」
「叶うよ!あと欲しいものはある?」
「じゃあね、ヴィヴィアンのスイスメイドの腕時計」
「全部叶うよ!あとは?」
と、際限なく叶えてくれる。
「ズッカの靴」
「もうないの?安魚の国では何でも叶うよ!」
安魚の国って、本当に気前のよいところだね。何より安魚が美魚に向かって

願い事が叶う!

と言い始めたことが気になる。
これも安魚のラカン的ファロスなのか。
物欲の美魚を喜ばすための。
とりあえず楽しいので毎日安魚の国で願い事をしている美魚であった。

楽しいこども園

安魚は定員15人の激戦を勝ち抜き、ついにこども園に内定したのであった。

と、美魚は書きたいところだが、蓋を開けてみれば30年度は子供が集まらず定員割れ。
抽選は行われずして、応募者の入園が決定したことだ。面接で数えてみたら8人ほどであった。

実感として、安魚とおなじ3歳(安魚は早生まれなので4歳のくくり)で、どこにも所属してない子供は皆無であると思われた。公立の4、5歳入園を目指してる人なんて美魚は会ったことがなかった。だが、少なくとも8人は同じように考えていた家庭があったのか、と思うと頼もしい気がする。まあ、園からの転入もあり得るが…。
何にせよ29年度は抽選が行われたそうなので、ついてたなぁと美魚は思う。

美魚の好きなママ友に、夏は曇りの日にしか出てこなかった人がいる。夕方は出てくるが、決まった公園がなく、いつもふらふら渡り歩くのだそうで、めったに会わない。
安魚より学年が1つ下の女の子のママであり、来年、その子は近所の私立に年少入園とのこと。
その人に久し振りで会った。

「こないだ願書持っていったんだけど、一度も説明会に来てないんですか!そんな人いませんよ!って幼稚園に怒られたんです」

何でもその私立幼稚園では、早めに人数を把握したいらしく、プレで入園の意志を聞いておき、さらに数回行われる説明会でおよその当たりをつけるそうで、いきなり予定外に願書を持って来る人は殆どいないのだという。

私立は2歳でプレは常識。説明会すら来ない親は異常なのだろうか。美魚も願書はおろか、一度も私立の説明会に行かなかったので、もし、こども園の抽選に漏れ、私立の年中入園先を探すことになってたら、大変だったかも知れない。ただ、こども園に入園出来ないとは考えてなかっただけである。

「しゃらくせえ」

彼女はうそぶく。結局その子は入園出来るらしい。

美魚はこのママ友の浮遊感が好きである。

トゥマッチ

美魚が今までヒアリング出来た英語は、新宿二丁目で酔っ払った外国人がタクシーのドアを開けようとして
「イッツオートマチック!」
と仲間らしき人に言われていたのと、昨日喫煙所でタバコを吸っていた時に日本語で話しかけてきた外国人が、美魚のタバコを見るなり
「ユウスモーキン?」
「トゥマッチ!」
と呟いた英語である。
中年が喫煙所でタバコを吸って何が悪いのか。f:id:mauymiuo:20171103103001j:plain

中野でねぶた

f:id:mauymiuo:20171028212048j:plain美魚は青森が大好きである。青森も美魚が好きなんだろうか。中野でねぶたを見た。実は動かされているねぶたを見たのは初めてである。360度ぐるーんと回すのが楽しい。篠つく雨だったのも印象に残る。
青森でいつかねぶた祭りを実際に体験するのが美魚の夢である。

壊れても慌てずに

f:id:mauymiuo:20171019220500j:plain美魚は2年くらい使用していたチェキを、家の階段から落として壊した。裏蓋が閉まらなくなり、さらにフィルムが必ず二枚ずつ勝手に出てくる。漁太郎が手縫いでカバーを作り、裏蓋の押さえにしたものの、やはり不便だ。
漁太郎は次はロモインスタントオートマットグラスなるカメラをを美魚に買い与えてくれた。それが先月のことである。
美魚はまたしてもカメラを落とした。
ぐらぐらの三脚が倒れ、レンズを強打。レンズが動かなくなってしまった。(レンズをスライドさせてオンオフするもの)
漁太郎はつめたーい目をして、
「お気楽過ぎんだろ…買ったばかりなのに」
と呟いただけで美魚を責めなかった。
もしこれが安魚の仕業だったら、美魚は目を三角にして何時までもネチネチ文句を言ってしまうだろう。
雨のなか、購入した3331アーツ千代田内のロモグラフィのお店に行く。
保証書には落下による故障は保証外と明記されていたので、まあ実費だなあと考えていたが、お店のかたは
「保証期間内ですので」
とあっさり新品と交換して下さった。
それとレンズに光の輪が入ることも話して見ると、それも交換の対象とのこと。しかもまた保証書を発行して下さった。
アフターサービスの良いことにすっかり感心してしまいました。
何かを壊すと気が滅入る。失敗する自分に嫌気がさす。取り返しはつくのに、何故だろう。買ったばかりというのもある。漁太郎は責めないというのに。責めないから許された訳でもないだろう。しかし、全て杞憂である。ちゃんと新品が手にはいったではないか。引き寄せか?
単にお店のご厚意である。
ぼんやりしていたらまた落としてしまう。気をつけよう。でもまた交換して頂けそう…。