マウィミウオの世界

美魚の生活雑記録

無知の知とは 2

f:id:mauymiuo:20180107141016j:plain美魚の分からない、釈然としないことの2つ目は、去年の12月にあった変な事。
美魚は朝8時過ぎに、2階のアトリエのソファで一服していた。
いきなり膝の上に、ボタボタっと水滴が落ちてきた。
天井の板の隙間から水が落ちてくる。
その日は快晴で、ここ数日雨も降らない。
ソファに立ってティッシュで水を拭い、臭いを嗅いでみた。野生動物の尿ではあるまいか?
だが、無色無臭である。
膝の水滴もだんだん乾いて、見分けがつかない。

あれ、なんだったの?

無知の知とは 1

f:id:mauymiuo:20180107135731j:plain美魚には分からない、釈然としない事が3つある。
1つは去年の8月の、人気のない昼下がりに、安魚と遊んだ公園で見た変な事。
安魚は滑り台で遊んでいた。小山を模したもので、下からは上に立つ子供の姿は見えない。そこに筒状の滑り台がついている。普段はいつでも子供に大人気であるが、暑さのせいか、今日は貸切状態である。
安魚は筒に入って、下からよじ登って遊んでいたが、美魚にはふと、継ぎ目の所に、子供の靴が揃うのが見えた。安魚と同じくらいの幼児のサイズだった。
「安魚ー、誰か滑ってくるからどきなよ」
と、美魚は安魚を筒から出して、子供が滑って来るのを待った。
しかし、誰も滑ってこない。
安魚も
「誰もいないよー」
と、また筒に入って遊び始めた。美魚は上に上がって確かめたが、やはり誰も居なかった。
辺りはシーンとして、子供もその親らしき人もいない。

あれ、なんだろう。

やはり引き寄せか。

f:id:mauymiuo:20171230185611j:plain図書館が正月休みになる前に、美魚は適当に本を沢山借りておいた。
プラトン著作や、スピリチュアル、雑学、児童本や小説など20冊ほどランダムにチョイス。
今日電車で、デュ・モーリア作、レベッカ 下巻の解説を読んでいて、この作品をヒッチコックが映画化していることを初めて知る。これ、有名な本なのかー、いつかケーブルTVでやればいいなぁ、と美魚は何となく思う。
電車を降りて、しばらく歩くと
「ご自由にどうぞ」
の、段ボールがある。
美魚は必ず物色するのが常である。

そこにあるではないですか…!
レベッカDVDが…。

美魚は、なんか、もう鳥肌が起つのであった。

神様セット

f:id:mauymiuo:20171230183847j:plain熊野神社に古いお札を納めて、新しくお札を貰いにゆく。毎年美魚は、3000円の神様セットを頂いている。大御神と、熊野神社札と、竃神とヒトカタ三つ、そして、白いヒトカタがあと二つ。
長年疑問に思っていた、白いヒトカタについて、今年始めて宮司さんに質問してみた。
三角形のモノは歳神様で、細長いものは大晦日に家をお祓いするものである、との事である。
15年近くこのセットをもらい受け、すべて神棚に上げていた美魚は、謎が解けて凄く清々した。
歳神様は元旦にやって来て、7日に行ってしまわれる訳ではなく、一年間滞在されるということが嬉しく、さらに大晦日に家をお祓いできるなんて、そんな良いこと何故早く質問しなかったのだろう。
もし知っていれば漁太郎は骨折しなかったかも知れない。
だが、美魚は今それを知ったことで、来年の災厄を防げるようにも思うのであった。
明日の夜はさっそく家中お祓いしよう。なんか、良い年が来そうではないか。

これも引き寄せか。

美魚はその日、朝から大掃除を始めた。漁太郎は居ないので、たぶん仕事に行ったのだろう。でも、朝は布団にいた気がするな、と片付かないような気分で猫トイレを洗っていると、昼前にいきなり漁太郎が右手に包帯を巻いて帰ってきた。昨日の仕事の休み時間に転倒し、余りに痛みが続くので今朝病院に行ってきた、とのこと。翌日紹介された別の病院でギプスをつけてきた。中指を骨折して、全治一ヶ月との診断である。
漁太郎がまた仕事をすることになった時に、美魚は
仕事なんてしなくていいのに。
私たちはもう金持ちなんだから。
と、考えた。正確には金持ちのつもりでいただけであるが、仕事をしなくていい、というのは現実になった。
漁太郎は肉体労働なので、右手を骨折するのは致命的である。
漁太郎は美魚に31万円を渡して、
「これなくなったら終り」
「でも、何とかなるでしょ」
呑気に話す。
美魚もそう思う。
財布に31万入れてるだけで楽しい気がするし。
漁太郎が骨折したのは美魚のせいだろうか。呪いか。引き寄せか。

時代はプレステ2

安魚はプレステ2のサルゲッチュが大好きだ。シリーズソフトを100円で買って貰って、漁太郎に教わりながら朝から晩までサルゲッチュなのである。カケル ヒカル サヤカ ナツミ サトルなんである。
漁太郎は3歳8ヶ月の安魚にスパルタ指導。
「なにやってんだよ!クッキー取れよ!洋服取れよ!行けよ!右だよ、右ー!逆ー!飛びトンボだろ!変身しろよ!今変身しても意味ない!自分でやれよ、そっちもう猿いないよ!あーもうなにウジウジしてんの、やれよ、敵も倒せよ、ちゃんとそーゆーのも取れよ!ちがーう!だから言われた通りやれよー!」
漁太郎がウッキーファイブや、難しい面をクリアして、安魚もコントローラを激しく操作して猿をゲッチュ。
美魚はあんまり興味ない。凄いなとは思う。怒鳴られても安魚はへっちゃらだ。これが柔道とか、卓球などスポーツなら褒められるんだろな。若しくは芸事一般、伝統芸能とかのスパルタ指導。

褒められると言えば、安魚はよく人から
「3歳!しっかりしてますねー」
と褒められる。
初対面でも他人と会話が出来るからなんだと美魚は思う。
「安魚は黄金アンギョだからねー」
「安魚はほんとは猫がたロボットなんだよ」
「だから強いんだよ」
「はー、しっかりしてるわー」
でも、なに言ってるか他人には分からないだろう。
戯言をいう姿が可愛い。バカ親だ。


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夢の中の神社

美魚は時々神社の夢を見る。境内を歩いていたり、この先は神社だな、と感じている夢が多い。
先日は、小さな神社に手を合わせて、

「私の絵が売れますように、喜んで買ってもらえますように」

と祈っていた。
拝殿に入ると、こじんまりしているが、色々な開運グッズや御守り、おみくじなどが並べられていて、好きなだけ貰ってもよい。美魚はポケットをパンパンにして、神社を後にした。
 
目が覚めて、しばらく夢を反芻した。
以前白い龍神の夢を見たときも、美魚は

「絵が上手くなりますように」

と、額付いて祈っていた。

目が覚めているときは物欲の固まりで、それ(金で買える幸せ)しか考えていないのに、実際に神社を詣でても、引越しばかり祈るのに、何故、夢の中ではその事を願わないのだろう。

宝くじに当たるほうが、金持ちになる可能性がある。
美魚の絵で下北沢に家が買えると、信じられるだろうか。
もし、本当に思考は現実化すると信じられれば、マウィミウオは富の源泉になるはずである。

f:id:mauymiuo:20171204091411j:plain限界状況なんて存在しない。乗り越えられるんだ。
投企せよ!
人間はなりたい人間になる!
アンガジュマン!
二十歳くらいでは信じていた。わりと未だに信じていたりする。