マウィミウオの世界

美魚の生活雑記録

飯森山

今日で会津をあとにする。
会津若松駅前からぶらぶらしばらく歩いて行くと、こ飼國神社があったので、お参りする。
こ、の漢字が入力出来ない。f:id:mauymiuo:20190703121048j:plain
由緒ある神社には、よく修繕費を募る案内があったりする。一口五千円から、とのこと。
美魚は旅をしながら、
もし、自分が億万長者であったら、神社に出会うたびに、修繕費を納められるのにな、
何て考える。今はせいぜい小銭を賽銭箱に入れているだけ。
三泊四日で、大人二人幼児一人、80000円位の旅である。
またぶらぶら歩いて、飯森山が見えてきた。
あそこに登りたい!
と安魚がいうので、渋々向かうと、
エスカレーターがあるじゃーん!
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飯森山からゆるゆる降りていくと、
さざえ堂があった。
木造にドキドキする。
螺旋状に登りながら、そのまま降りてくる不思議な建物だ。f:id:mauymiuo:20190703124213j:plain

塔のへつり

f:id:mauymiuo:20190703120427j:plain四日間のフリーパスがあるので、会津鉄道をぶらり途中下車も楽しい。
塔のへつりで降りてみた。
嘗て海だったために、侵食され、仏塔のように姿を変えた風景が広がるそうだが、緑が濃くて殆ど分からない。
寂しい気持ちになれるから、こんな場所が好きである
お昼を新津で食べるために再び乗車。
祇園会館で地元の料理をバイキング形式で食べて、展示物も見学する。
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また雨が強くなる。時間はゆっくりしているし、何も考えなくてすむ。
退屈がまた、楽しい。

とっことこ会津はぁ、いいっとこだぁぺぇ

喜多方をあとにして、会津若松に向かう。会津若松駅ではあかべえがお出迎え。f:id:mauymiuo:20190703112724j:plain
今日の予定は、伊佐須美神社である。
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旅の旅程は全て漁太郎に委ね、美魚は安魚と着いて行くだけで気楽なものだ。
しかも安魚の好きそうな場所には一切行かない。
途中で安魚がぐったりするのも仕方がない。
時間が余ったので、鶴ヶ城にも足を向ける。
城、歴史、あんまり興味ないけど、大きな建造物にはオーラがある。
しかも、お城には、侍がホントにいるんだねー。
凄いや!
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蔵の町

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記憶の彼方に在るような、古い町並み。
美魚は新しい都市より、寂れた町が好きである。
朽ちかけた無人の木造二階建ての家があったりすると、ドキドキする。割れた窓から蔓草が侵入していたりすると最高である。
そこには、嘗て反抗期真っ盛りの若者がいて、YMOのポスターなど、当時の最先端なミュージシャンのポスターがその部屋に貼ってあったかも知れない。
いや、未だに錆びた画鋲で留めてあるのではないか、何て考えるのが好きだ。

喜多方は蔵が多い。みな土壁が崩れかけている印象だが、地震のせいだろうか。
坂内というラーメン屋で昼御飯を食べる。
ボリュームも凄い。美味しい。
でも、ややしょっぱい。

新宮熊野神社

母を留守番させて、美魚は漁太郎と安魚で、会津若松旅行に出掛けた。
北千住から、スペーシアで鬼怒川まで行き、会津の特急に乗り換えて、喜多方まで向かった。
青森が大好きだけど、今青森は激安ツアーがない。
だから、というわけではないが、福島も行ったことがないので、楽しみにしていたことである。

土曜日なので、市内周遊バスが出ていた。
初日の目的地は、新宮熊野神社である。
雨は止んでいたが、拝殿の前でさーっと降り始めたのも印象的だ。
寝殿造の拝殿に、スリッパで上がることができる。
賽銭箱の後ろから参拝者を見るのは、こんな気分なのか。
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銀杏の紅葉シーズンが人気らしいが、梅雨時の鬱蒼とした感じが好きである。
濃緑色の夢のよう。

母、家出する

田舎の母に、安魚のランドセルをねだろうと、一年ぶりくらいにラインをした。
しばらくして返信があった。

「お母さんは元気です。お父さんは癌が見つかりました。お母さんは今、家出して4日目です」

母はいつも殴られていたが、66歳にして、遂に反撃に出たという。物をぶつけたりして。
そして、父の車に乗り込むと、そのまま警察に駆け込み、保護してもらったらしい。
そもそもの原因は、母の車が壊れたことらしいが、くだらないから、割愛する。
警察は後からパトカーで自宅に赴き、父を連行した。話聞きたいから、とか言って。
その隙にまた母は家に戻り、金目の物や着替えなど持ち出してきたんだそーだ。
車はないわ、通帳印鑑現金はないわ、父はいい気味である。遅すぎたくらいだ。
刑事は
「逮捕しますか?」
と、母に尋ねたそうだが、拘留は2日のみ。
後から殺されるかもしれないので止めてもらい、
接近を禁止し、破れば即、逮捕。で終わり。
母は放浪の旅に出ることにしたのだそーだ。

もし美魚が安魚のランドセルをねだろうとしなければ、こんな騒ぎは知らなかったと思う。

芸術家気取りの兄は、もう東京に住んでいないらしい。2年くらい前に田舎に戻っていたらしい。
知らなかった。
たった2ヶ月で仕事辞めたのね。で、田舎に帰っちゃうのねー。

家出した母は最初、近くにいる兄に連絡したそうだ。
母がいれば、当然父がやってくるだろう。
いかに警告されていようが、父は追うだろう。
兄の瞑想的な日々はぶち壊しである。
故に、兄は、すごーく嫌な顔をした。
そして、一言
「俺、今から夜勤なんだよ…」
それきりである。
未だに家賃が払えないとか言って、母にせびるくせして、(46才)
学生時代からの仕送りが貰えなくなって仕方なく実家に戻ったくせに、(38才)
「ここにこのままいるビジョンがない」とか言ってまた東京に引っ越すときは(44才)
身分証明書が無くて大騒ぎしたくせに、さんざん脛を齧りこの先も齧る気満々で親の近くにアパート借りて住んでるくせに、
自分に迷惑がかかりそうな時は突き放す。
さすが芸術家気取り!エッセイスト!思想家!
美魚はどうしたって、
「じゃ、うち来ればいーじゃん」
とか、当然言ってしまうもの。
母はあんまり好きじゃないけど、放浪じゃ気の毒だなー
って、同情しちゃうもんなー。

父はごく初期の癌を既に摘出して、今すぐ死ぬような感じではないらしい。
だが、なんとなく、美魚は父はあと少しで死ぬ気がする。
父はちゃんと自分で末期癌を呼び込める人だ。
不安を増幅させる天才だから、毎日クヨクヨ体の心配をして、母を恨んだりして、体を壊して、
あと2年くらいで…
いや、逆に執念で元気になるかも。

父はおかしい。
この騒ぎの翌日には警察にノコノコ赴き、
車の盗難届を出そうとして却下されたそうだ。
さらに、母の捜索願も出そうとして、やはり却下されたそうだ。

大丈夫じゃないな。

出張カメラマンを探して

こども園の修了式に、プロカメラマンを入れたらどうか、という案がでた。
式の間、何故か父兄は撮影禁止なのである。
だが、プロカメラマンはオッケーなのだという。
まだ先のことではあるが、どんなものなのか、美魚はGoogleで検索してみた。
出張カメラマンから見積りがくるサイトを手始めに調べた。
予算は三万で、もろもろ経費込み。
100枚くらい撮る、とのこと。
100枚ですかー、スゴいですねー。
と、美魚は考えた。
33人で100を割ると、3枚くらいだ。
今はちゃんと分かる。
だがその時は、1人10枚かー。
と疲れた頭が計算してしまった。
最初のヒットで心が動いていたので、このカメラマンでもいいかー。なんて思っていた矢先。
「ちょっと待ってください!1人100枚じゃないですよ?!大丈夫ですか!」
といきなり冷水を浴びせられた。
美魚の文章も変であった。
「1人3枚くらいが相場だと聞いていたので、100枚はスゴいですね、」
と書いている。
ほんとだよ、私。大丈夫じゃないですよ。
でも、
「ちょっと待ってください!」
「大丈夫ですか!」
という言葉をかけられて、
可笑しくも悲しい気持ちがしたのだった。
メルカリの出品者の対応の方が、まだ我慢強く丁寧だぞ。

もちろん不成立。

あー、どうすればいいかなぁ。
セミプロおじいちゃんとか、誰かの父兄は、知らないのかなあ。
川蝉撮ってたりするじゃん。
ごっついカメラ持ってる人たち。