マウィミウオの世界

美魚の生活雑記録

毎年悩むのが、これ

一年に一度くらいは押し入れを片付けたい。毎年大量にどうでもいいものを捨てる年末。この家に住んで早、15年。来年は16年になる。その長い年月の間、毎回美魚を悩ませるのが、こいつらである。
恐怖コミック。かつて少女時代に病しい気分を味わった懐かしいひばり、レモンシリーズが捨てられない。お正月に一気読みしてまた仕舞い込むだけなんだよな。捨てる気、ないな。f:id:mauymiuo:20191229110408j:plain

年の瀬を感じるもの

f:id:mauymiuo:20191211181437j:plain
腕時計の電池をその場で交換してくれるのは助かる。駅前の商店街にある宝石、時計店が美魚御用達である。厄介なのは、午後2時まで社長が来ないとかで、思いたった時に行けないことくらいだ。さらに臨時休業も多い。シャッターに手書きで
[社長都合により一月お休みします]
などと張り紙があったりすることもある。
三ヶ月ぶりにまたそこを訪れると、社長が不在。2時はとっくに回っている。すると、いつも無愛想なおばさん(社長の妻と思われる)が、「社長より時間かかるけどやってみるわー」
とこころよく引き受けてくださる。
なんだ、出来るなら前からやってくれたらいいのに。
社長は旅にでも出ていて、奥さん1人で店番しているんだろうか、もしくはお亡くなりになったのか。
などと考えながら待つこと20分。
無事にまた時計は動き出したことである。
帰り際に
「カレンダーいる?最近もらってくれる人いないのよ」
と、筒状に巻かれたカレンダーを頂いた。
美魚はカレンダー欲しさに福祉ヤクルトを毎年買っている位だし、もちろん喜んで受け取った。

家で開けて更に嬉しい。
こんなカレンダー、今時絶対もらえないから。
30年は使い回してそう!

いつの間にか消えて行く

f:id:mauymiuo:20190926101324j:plain
最寄り駅が始発化したお陰か、
美魚の家の周辺ではおびただしく建て売りが建築されるようになった。
倉庫や、畑は軒並み一戸建てに変貌してゆく。
美魚の住む一角だけが、新築分譲に囲まれて、昭和の面影を残している。
それに、周りの昭和家屋も徐々に外装リフォームが施され、この家だけ目立っておんぼろである。
思えば築39年の家に、もう15年も住んでいる。この15年の間に私道を挟んだ三軒で3人ひっそり亡くなっていたらしい。15年は長い時間なのだと実感する。
いつも話しかけてくる二軒隣のおばあさんに、
思いきって
旦那さん(80代)、入院されたんですか、お見かけしませんけど…と尋ねてみたら、
「去年の暮れに死んだんですよ」
と教えてくださった。
向かいの家のおっさんは(70代)急に全然見かけなくなり、
二軒隣のお爺さんはなんとなく見ないなあ、
と思っていたら、やはり亡くなっていた。
離れた角のお宅のおっさんは、普段から見かけなかったので、気にならなかった。
町会を脱会すると、向かいの家のおっさんが死んでも気づかない。
それに、奧さん(60代)とたまに顔を合わせても、
「うちの旦那この前死んだんですよ」
なんて、切り出してこない。
リフォームの施工主が奧さんになっていたので、
ついでにそれもおばあさんに聞いたら、
随分まえに突然亡くなったのだという。
おばあさんの言い方が興味深い。
「うちのねこちゃんを私道で遊ばせてたら、こんなとこで遊ばせんな!って怒るのよー、あの旦那さん」
「そしたらねぇ、しばらくして二匹とも死んじゃったのよ」
「でね、またしばらくして、今度旦那さんも亡くなっちゃったの…」
猫の恨み説か。


ふと、通りの向かい側の建築中の物件に引っ越したらどんな気分だろう、と考える。
住宅サイトで調べた所、価格は4980万であった。
高い…。

倦まず弛まず

f:id:mauymiuo:20190811085603j:plain
梅雨明けが遅れたせいだろうか、美魚の家のベランダでアシナガバチが巣作りをし始めた。
気づいた時は、巣の六角形が4つくらいだった。
やたらアシナガバチが飛んでくるなーとは、思っていた。
いつ頃完成するのだろう。どのくらいの規模で考えているのだろう。
暑さなど蜂は感じないのだろうか。器用に洗濯物を避けつつ飛んできて、せっせと作り続ける。そして向かいのアパートの屋根を越えて、また材料を取りに行く。お気に入りの泥か何かがあるんだろうか。それとも、咥えてくるのは芋虫団子で、幼虫を育てているのだろうか。始め一匹だった蜂が、今は四匹に増えている。みんな一族なのか。始めの一匹が卵を生んで、幼虫を育て、成虫になり、巣を拡張して、また卵を生むのだろうか。ここまで正味20日ほどである。
アシナガバチにとって巣は、寛ぐためでも団欒のためでもなく、ひたすらに子孫を増やすための物であるようだ。日々淡々と繰り返される拡張と繁栄。アシナガバチの暮らしをしてみたい気もする。何も考えなくて済むのは、神の愛を知っているからか。
始め巣を見た時は軽くショックを覚えたが、今は洗濯しながら観察するのが楽しい。別にいても構わないし。

旅の終わりに

スペーシアの時間を待つ間、鬼怒川温泉をブラブラしてみる。
車窓から見た鬼怒川温泉は、潰れたホテルが続いていたが、降りてみると、それなりに楽しい。
東京に置いてきた母がLINEで
「やった!お父さんが離婚届に判押した!」
と、知らせてきた。
ほおーっ。
離婚の条件は父の車を返すこと、相続権を放棄すること。
父は以後一切の干渉をしないこと。
思ったより、離婚は簡単に片付いたと思う。f:id:mauymiuo:20190703125403j:plain

飯森山

今日で会津をあとにする。
会津若松駅前からぶらぶらしばらく歩いて行くと、こ飼國神社があったので、お参りする。
こ、の漢字が入力出来ない。f:id:mauymiuo:20190703121048j:plain
由緒ある神社には、よく修繕費を募る案内があったりする。一口五千円から、とのこと。
美魚は旅をしながら、
もし、自分が億万長者であったら、神社に出会うたびに、修繕費を納められるのにな、
何て考える。今はせいぜい小銭を賽銭箱に入れているだけ。
三泊四日で、大人二人幼児一人、80000円位の旅である。
またぶらぶら歩いて、飯森山が見えてきた。
あそこに登りたい!
と安魚がいうので、渋々向かうと、
エスカレーターがあるじゃーん!
f:id:mauymiuo:20190703122934j:plain

飯森山からゆるゆる降りていくと、
さざえ堂があった。
木造にドキドキする。
螺旋状に登りながら、そのまま降りてくる不思議な建物だ。f:id:mauymiuo:20190703124213j:plain

塔のへつり

f:id:mauymiuo:20190703120427j:plain四日間のフリーパスがあるので、会津鉄道をぶらり途中下車も楽しい。
塔のへつりで降りてみた。
嘗て海だったために、侵食され、仏塔のように姿を変えた風景が広がるそうだが、緑が濃くて殆ど分からない。
寂しい気持ちになれるから、こんな場所が好きである
お昼を新津で食べるために再び乗車。
祇園会館で地元の料理をバイキング形式で食べて、展示物も見学する。
f:id:mauymiuo:20190703115708j:plain
また雨が強くなる。時間はゆっくりしているし、何も考えなくてすむ。
退屈がまた、楽しい。