マウィミウオの世界

美魚の生活雑記録

ピョンタはミタマノフユによりて

オタマジャクシから育て上げたガマガエル。 今はピョンタだけしか残っていない。 去年の11月にピョングがキノコみたいにガリガリになって、ミイラになり死んだ。 死因は餓死ではないかと思う。 夏に公園に、小さなコオロギがウジャウジャいるのに気づいた美…

育てたカエル

4月2日に安魚と公園で採取した四匹のおたまじゃくし。5月10日 手足が生えた数日後一匹が溺死。 水を減らし陸を作る。死骸は公園の桜の下に埋めた。 その翌日に蓋を閉め忘れさらに一匹脱走、 家の中で行方不明になる。尾がまだあるので油断してしまった…

いつか読みたいバシュラール

2月14日。今日で青森も最後である。昨日の雨で雪は急速に溶け始めた。青森市内は殆ど雪は残っていなかった。暖暖冬も頷ける。到着が遅れたらあの雪景色は味わえなかったと思うとありがたい。 しんまちで古本屋に入る。この本屋は以前はもっと離れた場所に…

白樺の小枝

2月13日。天気は雨。ロープウェイは動いているようである。バスの出る11時半まで部屋でゴロゴロ過ごす。コロナウイルスの影響か、中国人の観光客は沢山はいない。それでもいないわけでもない。白人、青森県民、わしらみたいな他県民などが古い宿に集ま…

酸ヶ湯温泉

2月12日。ビジネスホテルで食料を買い込みだらだら過ごすのがいつもの旅であるが、食事つきのホテルはやはり素晴らしい。凄く贅沢している気分になる。安魚は幼児ゆえ食事無しであるが、白米や味噌汁、ふりかけや、りんごジュースをサービスしてもらえた…

安魚のパカ

2月11日。間烏井一家は新青森駅に到着。去年の11月には一握りの雪が溶け残っていただけだったが、今日はムード満点の一面雪景色。明後日の酸ヶ湯温泉も期待できそうである。また、美術館でゆっくりシャガールを堪能するのも毎回楽しみである。安魚はい…

妖精に要請される時

去年の春辺りから、美魚は道端に落ちているゴミが何故か気になってたまらなくなり、安魚を園に歩いて送る往復40分間に、なんとなく拾い始めた。 レジ袋に始まり、菓子の個別包装、スナックの袋、からあげくんのパッケージ、団子の串、おにぎりのラップ、マ…

ピエール瀧には敵わない

中野ブロードウェイで、まんだらけスタッフの藤子A 藤子B コスプレに気づいたのは安魚。ドラえもんの着ぐるみではなく、ルームウェアのようなものを着て働いていた。 ドラえもんが最高に板についていたのは電気グルーヴライブ、瀧の扮装だったなあと懐かしく…

毎年悩むのが、これ

一年に一度くらいは押し入れを片付けたい。毎年大量にどうでもいいものを捨てる年末。この家に住んで早、15年。来年は16年になる。その長い年月の間、毎回美魚を悩ませるのが、こいつらである。 恐怖コミック。かつて少女時代に病しい気分を味わった懐か…

年の瀬を感じるもの

腕時計の電池をその場で交換してくれるのは助かる。駅前の商店街にある宝石、時計店が美魚御用達である。厄介なのは、午後2時まで社長が来ないとかで、思いたった時に行けないことくらいだ。さらに臨時休業も多い。シャッターに手書きで [社長都合により一…

いつの間にか消えて行く

最寄り駅が始発化したお陰か、 美魚の家の周辺ではおびただしく建て売りが建築されるようになった。 倉庫や、畑は軒並み一戸建てに変貌してゆく。 美魚の住む一角だけが、新築分譲に囲まれて、昭和の面影を残している。 それに、周りの昭和家屋も徐々に外装…

倦まず弛まず

梅雨明けが遅れたせいだろうか、美魚の家のベランダでアシナガバチが巣作りをし始めた。 気づいた時は、巣の六角形が4つくらいだった。 やたらアシナガバチが飛んでくるなーとは、思っていた。 いつ頃完成するのだろう。どのくらいの規模で考えているのだろ…

旅の終わりに

スペーシアの時間を待つ間、鬼怒川温泉をブラブラしてみる。 車窓から見た鬼怒川温泉は、潰れたホテルが続いていたが、降りてみると、それなりに楽しい。 東京に置いてきた母がLINEで 「やった!お父さんが離婚届に判押した!」 と、知らせてきた。 ほおーっ…

飯森山

今日で会津をあとにする。 会津若松駅前からぶらぶらしばらく歩いて行くと、こ飼國神社があったので、お参りする。 こ、の漢字が入力出来ない。 由緒ある神社には、よく修繕費を募る案内があったりする。一口五千円から、とのこと。 美魚は旅をしながら、 も…

塔のへつり

四日間のフリーパスがあるので、会津鉄道をぶらり途中下車も楽しい。 塔のへつりで降りてみた。 嘗て海だったために、侵食され、仏塔のように姿を変えた風景が広がるそうだが、緑が濃くて殆ど分からない。 寂しい気持ちになれるから、こんな場所が好きである…

とっことこ会津はぁ、いいっとこだぁぺぇ

喜多方をあとにして、会津若松に向かう。会津若松駅ではあかべえがお出迎え。 今日の予定は、伊佐須美神社である。 旅の旅程は全て漁太郎に委ね、美魚は安魚と着いて行くだけで気楽なものだ。 しかも安魚の好きそうな場所には一切行かない。 途中で安魚がぐ…

蔵の町

記憶の彼方に在るような、古い町並み。 美魚は新しい都市より、寂れた町が好きである。 朽ちかけた無人の木造二階建ての家があったりすると、ドキドキする。割れた窓から蔓草が侵入していたりすると最高である。 そこには、嘗て反抗期真っ盛りの若者がいて、…

新宮熊野神社

母を留守番させて、美魚は漁太郎と安魚で、会津若松旅行に出掛けた。 北千住から、スペーシアで鬼怒川まで行き、会津の特急に乗り換えて、喜多方まで向かった。 青森が大好きだけど、今青森は激安ツアーがない。 だから、というわけではないが、福島も行った…

母、家出する

田舎の母に、安魚のランドセルをねだろうと、一年ぶりくらいにラインをした。 しばらくして返信があった。「お母さんは元気です。お父さんは癌が見つかりました。お母さんは今、家出して4日目です」母はいつも殴られていたが、66歳にして、遂に反撃に出た…

出張カメラマンを探して

こども園の修了式に、プロカメラマンを入れたらどうか、という案がでた。 式の間、何故か父兄は撮影禁止なのである。 だが、プロカメラマンはオッケーなのだという。 まだ先のことではあるが、どんなものなのか、美魚はGoogleで検索してみた。 出張カメラマ…

快適な日々

充電が丸二日かけても50%に満たず、充電器から外すと10分弱しか使用できなかった美魚のポンコツスマホ。 携帯できなかったスマホ。 依存しようのなかったスマホ。 基本的に電源オフだったスマホ。 我慢の限界を1年半も堪えて、ついに新しいスマホを買った…

ナウシカ道をゆく安魚

こども園のテラスで、子どもたちが、カメムシを捕まえて遊んでいた。 そのサークルを割って入った安魚は、 「やめなよ!かわいそうでしょ!」 と、カメムシを庇っていた。その癖触れない。美魚も近づき、じゃあ逃がそっかーなんて砂場のコップにカメムシを誘…

しくしく泣く安魚

漁太郎が、安魚に絵本を買ってきて、読み聞かせをしていた。 タイトルは 地獄。 平安絵巻を絵本に編集したようなもので、安魚は漁太郎の横に張り付いて、熱心に見ていた。 随分興味あるんだな、と美魚は思っていたが、終にしくしくと泣き始めた。怖さを知る…

楽しいPTA

PTAとは何だろう。こども園にもやはりPTAは存在し、父兄は何らかの役割を担う必要がある。美魚は秋のお祭りの実行委員会に参加することになった。 単なるその他大勢である。 漁太郎はPTAは任意なんだから、参加する必要はないという。 でも、ポスター描いた…

目に見えるものは現実ではないのかも

美魚は昔、シナリオの学校に通ったことがある。映画監督の運営している映像塾という所の、シナリオ科である。 其処で学ばせていただいたことは、 「あんたは思い込みが激しい」 という客観的事実であった。 それは、自分の見ている、感じている世界と、現実…

安魚喘息になる?

もう来なくていい、と医師に云われたものの、あまりにも咳が続くので、こども園から一番近い、別の小さな医院に安魚を連れていく。一時半から午後の診療なので都合がよい。 美魚が子供の頃に連れていかれたのは、こんな病院だったよな、と感じる昭和で止まっ…

安魚がだだこねる

安魚が風邪をひく。大したことはなさそうだが、病院に連れていく。 受付でどうされました?と尋ねられ、美魚が答えようとする先に 「咳がたくさんでますが、スピードは変わりません」 と安魚が答える。医師にも、薬剤師にも同様である。 安魚には病院=マク…

移動ポケットは悪魔将軍

[ こども園での生活にも大分慣れた昨今。 気になるのは、 子供たちが腰にぶら下げているポシェットのようなモノだ。 あれは、なんだ? ちょうどつけてる子のお母さんがいたので、 お訊きしてみた。 移動ポケットなるもので、 ズボンや、スカートなどのウェス…

祝 入園

安魚がこども園に通い始める。 入園式には漁太郎も出席。 美魚はヴィヴィアンのスーツを下ろせて嬉しい。 今だに君が代は斉唱するんだな、と感心していると、区民の歌斉唱。 知らないよ。存在すら。 在園児は元気に歌っておる。 園の歌が続き、着席。 漁太郎…

ノラが行く

ノラが死んだ夜、漁太郎はノラを自分の枕に乗せて眠った。いつものシルエットだ。まるい物体に三角の耳。 ノラが死んで、抱くのをやめた美魚は、寝床にそっと戻した。 不思議なことにノラはいつもの様に身体を伸ばし、枕に頭を乗せて、手を箱の縁に乗せる。 …