マウィミウオの世界

美魚の生活雑記録

無為に与えるスペース

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美魚は7月から今日まで家を買うためにせっせとお金を作ってきた。
自分で銀行口座を開設して、毎日預金をする。
既に3億円は目前である。
お金は全てフリーペーパーや広報、チラシ、古雑誌など、紙なら何でも一万円サイズに切り取り、
100枚の束にした。
上皮だけは万札にしたいところ。
アタッシュケースに詰められた偽の身代金みたいなやつ。
でもそんなに現金がないので諦める。
冷静になれば馬鹿馬鹿しくて涙も出よう。
だが、美魚は本気で3億枚近くを数えたことだ。
もう何も手に付かない。
紙は全てお金に見えた。紙は神である。
段ボール二箱がぎっしり札で埋まっている。
さあ、金なら持っている。
お金は有るところにしか流れてこない。
お金が欲しかったらあるように振る舞え。
など、引き寄せの本には書いてある。
美魚は素直に実行した。
あとは忘れておくことである。

旦那さんが突然仕事を辞めたのも引き寄せの一環だろうか。
引っ越すときは辞めてもらうつもりだった。
だが、午前中にいきなり帰ってきて、
「会社辞めてきた」
は、ちょっとだけ驚く。
「へーっ……何で?」
「支店長とケンカしたから」
「ふーん…」
接ぎ穂がないのでそれきりである。
安魚はおたんがずっと居るので楽しそうだ。
美魚は3億円くらいお金を作って気が済んだことだし、また絵を描き始めることにした。
ペンでコツコツ描いていく。
タイトルは
無為に与えるスペース
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