マウィミウオの世界

間鵜井美魚の生活雑記録

無知の知とは 3

f:id:mauymiuo:20180107193339j:plain美魚の分からない、釈然としないことの3つ目は、パンジーの花弁を食べる動物の事である。
美魚はベランダでささやかなガーデニングを楽しんでいる。花はパンジーとビオラの小鉢1つである。
そいつはある日から、突然やって来るようになった。
夜11時過ぎに、1階の東の窓の、庇の上に凄い音がした。隣の家の屋根から飛び降りたような、
ドターン!
と云う音の後に、小動物が駆け抜けるようなバタバタした足音が続く。
そいつは2階のベランダに入って、カタカタやっていたと思うと、今度は南の1階の窓の庇に飛び降りて、消えた。
な、な、なんだ?
美魚がベランダに行ってみると、パンジーの花弁が散らばっていた。
美魚は鉢を物干し竿の真ん中にかけてみた。
次の晩もやつは庇に飛び降りて、走ってベランダに飛び上がった。そして、また庇を駆け抜けていった。
翌日、やはりパンジーは吊り下げたにも関わらず食べられていた。
何度かそいつの正体を暴いてやろうと漁太郎と1階と2階に別れて待ち伏せしたが、未だに姿は見ていない。
猫より小さい、ネズミより大きいやつ。ハクビシンだろうか。
それにしたって、周りには狂ったようにガーデニングしている家も多々あるのに、なぜ、美魚のささやかな鉢を狙うのか。
分からない。

分からないと云うことは、すっきりしないし、気持ちが悪い。
夏の公園の滑り台に、子供の靴が見えた。
漁太郎は錯覚だといった。
天井から水滴が落ちてきた。
安魚は夢じゃない?といった。
冬の野生動物。これだけは現実に存在しているが、姿が分からない。

怖い話の再現ドラマのラストで
「あとから知ったことですが」
と解説が入ると、因縁を知ったようでふに落ちる気がするが、
あれは結局無くてもいいんじゃん?と、美魚は思う。 

美魚の分からない、釈然としない話は大したものではないが、知ったような解明(気のせい、脳の錯覚、単なる動物)を試みるより、どうせ分からないのだ、と思うほうが良いような気がする。




これは無知の知と呼べますか。