マウィミウオの世界

間鵜井美魚の生活雑記録

ノラが行く

ノラが死んだ夜、漁太郎はノラを自分の枕に乗せて眠った。いつものシルエットだ。まるい物体に三角の耳。
ノラが死んで、抱くのをやめた美魚は、寝床にそっと戻した。
不思議なことにノラはいつもの様に身体を伸ばし、枕に頭を乗せて、手を箱の縁に乗せる。
リラックスして、気持ちよさそう。
ずっとこんな姿を見てなかった気がする。やっと楽になったね。

次の日起きるとノラの棺が漁太郎によって用意されていた。
それは安魚が使っていたベビーバスケットだった。
ノラは布団からちんまり頭を出してる。
漁太郎が仕事なので葬祭の手配を美魚がする。
2年前みーちゃをお願いした寺院に連絡すると、9時から12時でお迎えにあがるとのこと。
みーちゃは1日空いたのに、早い。
安魚と花を買いに行き、カルカンとカリカリをお弁当に持たせる。
9時半にはあの白いバンが私道に入ってきた。
ああ、もう行ってしまう。
ノラをバンの荷台まで運ぶ。
既に悲しい遺骸が奥に積まれていた。
その手前ににノラのバスケットを置いた。
近所のおばさんが窓から私道を見てる。
頼むから何も話しかけないで…合掌。

車は府中の本院へ向かうという。
明日火葬され、翌日分園に遺骨の一部が戻る。
みーちゃとやっと一緒になれるね。
2匹いた猫が2匹ともいなくなってしまった。
淋しい。
猫がいないなら三泊四日以上旅行ができるではないか…

それだけだな。