マウィミウオの世界

美魚の生活雑記録

やはり引き寄せか。

f:id:mauymiuo:20171230185611j:plain図書館が正月休みになる前に、美魚は適当に本を沢山借りておいた。
プラトン著作や、スピリチュアル、雑学、児童本や小説など20冊ほどランダムにチョイス。
今日電車で、デュ・モーリア作、レベッカ 下巻の解説を読んでいて、この作品をヒッチコックが映画化していることを初めて知る。これ、有名な本なのかー、いつかケーブルTVでやればいいなぁ、と美魚は何となく思う。
電車を降りて、しばらく歩くと
「ご自由にどうぞ」
の、段ボールがある。
美魚は必ず物色するのが常である。

そこにあるではないですか…!
レベッカDVDが…。

美魚は、なんか、もう鳥肌が起つのであった。

神様セット

f:id:mauymiuo:20171230183847j:plain熊野神社に古いお札を納めて、新しくお札を貰いにゆく。毎年美魚は、3000円の神様セットを頂いている。大御神と、熊野神社札と、竃神とヒトカタ三つ、そして、白いヒトカタがあと二つ。
長年疑問に思っていた、白いヒトカタについて、今年始めて宮司さんに質問してみた。
三角形のモノは歳神様で、細長いものは大晦日に家をお祓いするものである、との事である。
15年近くこのセットをもらい受け、すべて神棚に上げていた美魚は、謎が解けて凄く清々した。
歳神様は元旦にやって来て、7日に行ってしまわれる訳ではなく、一年間滞在されるということが嬉しく、さらに大晦日に家をお祓いできるなんて、そんな良いこと何故早く質問しなかったのだろう。
もし知っていれば漁太郎は骨折しなかったかも知れない。
だが、美魚は今それを知ったことで、来年の災厄を防げるようにも思うのであった。
明日の夜はさっそく家中お祓いしよう。なんか、良い年が来そうではないか。

これも引き寄せか。

美魚はその日、朝から大掃除を始めた。漁太郎は居ないので、たぶん仕事に行ったのだろう。でも、朝は布団にいた気がするな、と片付かないような気分で猫トイレを洗っていると、昼前にいきなり漁太郎が右手に包帯を巻いて帰ってきた。昨日の仕事の休み時間に転倒し、余りに痛みが続くので今朝病院に行ってきた、とのこと。翌日紹介された別の病院でギプスをつけてきた。中指を骨折して、全治一ヶ月との診断である。
漁太郎がまた仕事をすることになった時に、美魚は
仕事なんてしなくていいのに。
私たちはもう金持ちなんだから。
と、考えた。正確には金持ちのつもりでいただけであるが、仕事をしなくていい、というのは現実になった。
漁太郎は肉体労働なので、右手を骨折するのは致命的である。
漁太郎は美魚に31万円を渡して、
「これなくなったら終り」
「でも、何とかなるでしょ」
呑気に話す。
美魚もそう思う。
財布に31万入れてるだけで楽しい気がするし。
漁太郎が骨折したのは美魚のせいだろうか。呪いか。引き寄せか。

時代はプレステ2

安魚はプレステ2のサルゲッチュが大好きだ。シリーズソフトを100円で買って貰って、漁太郎に教わりながら朝から晩までサルゲッチュなのである。カケル ヒカル サヤカ ナツミ サトルなんである。
漁太郎は3歳8ヶ月の安魚にスパルタ指導。
「なにやってんだよ!クッキー取れよ!洋服取れよ!行けよ!右だよ、右ー!逆ー!飛びトンボだろ!変身しろよ!今変身しても意味ない!自分でやれよ、そっちもう猿いないよ!あーもうなにウジウジしてんの、やれよ、敵も倒せよ、ちゃんとそーゆーのも取れよ!ちがーう!だから言われた通りやれよー!」
漁太郎がウッキーファイブや、難しい面をクリアして、安魚もコントローラを激しく操作して猿をゲッチュ。
美魚はあんまり興味ない。凄いなとは思う。怒鳴られても安魚はへっちゃらだ。これが柔道とか、卓球などスポーツなら褒められるんだろな。若しくは芸事一般、伝統芸能とかのスパルタ指導。

褒められると言えば、安魚はよく人から
「3歳!しっかりしてますねー」
と褒められる。
初対面でも他人と会話が出来るからなんだと美魚は思う。
「安魚は黄金アンギョだからねー」
「安魚はほんとは猫がたロボットなんだよ」
「だから強いんだよ」
「はー、しっかりしてるわー」
でも、なに言ってるか他人には分からないだろう。
戯言をいう姿が可愛い。バカ親だ。


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夢の中の神社

美魚は時々神社の夢を見る。境内を歩いていたり、この先は神社だな、と感じている夢が多い。
先日は、小さな神社に手を合わせて、

「私の絵が売れますように、喜んで買ってもらえますように」

と祈っていた。
拝殿に入ると、こじんまりしているが、色々な開運グッズや御守り、おみくじなどが並べられていて、好きなだけ貰ってもよい。美魚はポケットをパンパンにして、神社を後にした。
 
目が覚めて、しばらく夢を反芻した。
以前白い龍神の夢を見たときも、美魚は

「絵が上手くなりますように」

と、額付いて祈っていた。

目が覚めているときは物欲の固まりで、それ(金で買える幸せ)しか考えていないのに、実際に神社を詣でても、引越しばかり祈るのに、何故、夢の中ではその事を願わないのだろう。

宝くじに当たるほうが、金持ちになる可能性がある。
美魚の絵で下北沢に家が買えると、信じられるだろうか。
もし、本当に思考は現実化すると信じられれば、マウィミウオは富の源泉になるはずである。

f:id:mauymiuo:20171204091411j:plain限界状況なんて存在しない。乗り越えられるんだ。
投企せよ!
人間はなりたい人間になる!
アンガジュマン!
二十歳くらいでは信じていた。わりと未だに信じていたりする。

気前のよい安魚の国

漁太郎が仕事を始めたので、美魚はまた安魚と二人である。
この頃は本当に私たちは金持ちで、働く必要なんてないと思い始めている。
漁太郎にそんなこと言うと怒られるので黙っている。

安魚の国は今も健在で、安魚はしょっちゅう
「そうだ!安魚の国でパーティーやってるんだ!」
とか言って毎日騒いでいる。
安魚は美魚に向かって
「おかん。安魚の国では何でも願い事が叶うよ!欲しいもの言って!」
「じゃあね、新しい家」
「叶うよ!あとは?」
「じゃあね、大きなダイヤモンド」
「叶うよ!あとは」
「ヴィヴィアンのコート」
「叶うよ!あと欲しいものはある?」
「じゃあね、ヴィヴィアンのスイスメイドの腕時計」
「全部叶うよ!あとは?」
と、際限なく叶えてくれる。
「ズッカの靴」
「もうないの?安魚の国では何でも叶うよ!」
安魚の国って、本当に気前のよいところだね。何より安魚が美魚に向かって

願い事が叶う!

と言い始めたことが気になる。
これも安魚のラカン的ファロスなのか。
物欲の美魚を喜ばすための。
とりあえず楽しいので毎日安魚の国で願い事をしている美魚であった。

楽しいこども園

安魚は定員15人の激戦を勝ち抜き、ついにこども園に内定したのであった。

と、美魚は書きたいところだが、蓋を開けてみれば30年度は子供が集まらず定員割れ。
抽選は行われずして、応募者の入園が決定したことだ。面接で数えてみたら8人ほどであった。

実感として、安魚とおなじ3歳(安魚は早生まれなので4歳のくくり)で、どこにも所属してない子供は皆無であると思われた。公立の4、5歳入園を目指してる人なんて美魚は会ったことがなかった。だが、少なくとも8人は同じように考えていた家庭があったのか、と思うと頼もしい気がする。まあ、園からの転入もあり得るが…。
何にせよ29年度は抽選が行われたそうなので、ついてたなぁと美魚は思う。

美魚の好きなママ友に、夏は曇りの日にしか出てこなかった人がいる。夕方は出てくるが、決まった公園がなく、いつもふらふら渡り歩くのだそうで、めったに会わない。
安魚より学年が1つ下の女の子のママであり、来年、その子は近所の私立に年少入園とのこと。
その人に久し振りで会った。

「こないだ願書持っていったんだけど、一度も説明会に来てないんですか!そんな人いませんよ!って幼稚園に怒られたんです」

何でもその私立幼稚園では、早めに人数を把握したいらしく、プレで入園の意志を聞いておき、さらに数回行われる説明会でおよその当たりをつけるそうで、いきなり予定外に願書を持って来る人は殆どいないのだという。

私立は2歳でプレは常識。説明会すら来ない親は異常なのだろうか。美魚も願書はおろか、一度も私立の説明会に行かなかったので、もし、こども園の抽選に漏れ、私立の年中入園先を探すことになってたら、大変だったかも知れない。ただ、こども園に入園出来ないとは考えてなかっただけである。

「しゃらくせえ」

彼女はうそぶく。結局その子は入園出来るらしい。

美魚はこのママ友の浮遊感が好きである。