マウィミウオの世界

美魚の生活雑記録

気前のよい安魚の国

漁太郎が仕事を始めたので、美魚はまた安魚と二人である。
この頃は本当に私たちは金持ちで、働く必要なんてないと思い始めている。
漁太郎にそんなこと言うと怒られるので黙っている。

安魚の国は今も健在で、安魚はしょっちゅう
「そうだ!安魚の国でパーティーやってるんだ!」
とか言って毎日騒いでいる。
安魚は美魚に向かって
「おかん。安魚の国では何でも願い事が叶うよ!欲しいもの言って!」
「じゃあね、新しい家」
「叶うよ!あとは?」
「じゃあね、大きなダイヤモンド」
「叶うよ!あとは」
「ヴィヴィアンのコート」
「叶うよ!あと欲しいものはある?」
「じゃあね、ヴィヴィアンのスイスメイドの腕時計」
「全部叶うよ!あとは?」
と、際限なく叶えてくれる。
「ズッカの靴」
「もうないの?安魚の国では何でも叶うよ!」
安魚の国って、本当に気前のよいところだね。何より安魚が美魚に向かって

願い事が叶う!

と言い始めたことが気になる。
これも安魚のラカン的ファロスなのか。
物欲の美魚を喜ばすための。
とりあえず楽しいので毎日安魚の国で願い事をしている美魚であった。