マウィミウオの世界

美魚の生活雑記録

気前のよい安魚の国

漁太郎が仕事を始めたので、美魚はまた安魚と二人である。
この頃は本当に私たちは金持ちで、働く必要なんてないと思い始めている。
漁太郎にそんなこと言うと怒られるので黙っている。

安魚の国は今も健在で、安魚はしょっちゅう
「そうだ!安魚の国でパーティーやってるんだ!」
とか言って毎日騒いでいる。
安魚は美魚に向かって
「おかん。安魚の国では何でも願い事が叶うよ!欲しいもの言って!」
「じゃあね、新しい家」
「叶うよ!あとは?」
「じゃあね、大きなダイヤモンド」
「叶うよ!あとは」
「ヴィヴィアンのコート」
「叶うよ!あと欲しいものはある?」
「じゃあね、ヴィヴィアンのスイスメイドの腕時計」
「全部叶うよ!あとは?」
と、際限なく叶えてくれる。
「ズッカの靴」
「もうないの?安魚の国では何でも叶うよ!」
安魚の国って、本当に気前のよいところだね。何より安魚が美魚に向かって

願い事が叶う!

と言い始めたことが気になる。
これも安魚のラカン的ファロスなのか。
物欲の美魚を喜ばすための。
とりあえず楽しいので毎日安魚の国で願い事をしている美魚であった。

楽しいこども園

安魚は定員15人の激戦を勝ち抜き、ついにこども園に内定したのであった。

と、美魚は書きたいところだが、蓋を開けてみれば30年度は子供が集まらず定員割れ。
抽選は行われずして、応募者の入園が決定したことだ。面接で数えてみたら8人ほどであった。

実感として、安魚とおなじ3歳(安魚は早生まれなので4歳のくくり)で、どこにも所属してない子供は皆無であると思われた。公立の4、5歳入園を目指してる人なんて美魚は会ったことがなかった。だが、少なくとも8人は同じように考えていた家庭があったのか、と思うと頼もしい気がする。まあ、園からの転入もあり得るが…。
何にせよ29年度は抽選が行われたそうなので、ついてたなぁと美魚は思う。

美魚の好きなママ友に、夏は曇りの日にしか出てこなかった人がいる。夕方は出てくるが、決まった公園がなく、いつもふらふら渡り歩くのだそうで、めったに会わない。
安魚より学年が1つ下の女の子のママであり、来年、その子は近所の私立に年少入園とのこと。
その人に久し振りで会った。

「こないだ願書持っていったんだけど、一度も説明会に来てないんですか!そんな人いませんよ!って幼稚園に怒られたんです」

何でもその私立幼稚園では、早めに人数を把握したいらしく、プレで入園の意志を聞いておき、さらに数回行われる説明会でおよその当たりをつけるそうで、いきなり予定外に願書を持って来る人は殆どいないのだという。

私立は2歳でプレは常識。説明会すら来ない親は異常なのだろうか。美魚も願書はおろか、一度も私立の説明会に行かなかったので、もし、こども園の抽選に漏れ、私立の年中入園先を探すことになってたら、大変だったかも知れない。ただ、こども園に入園出来ないとは考えてなかっただけである。

「しゃらくせえ」

彼女はうそぶく。結局その子は入園出来るらしい。

美魚はこのママ友の浮遊感が好きである。

トゥマッチ

美魚が今までヒアリング出来た英語は、新宿二丁目で酔っ払った外国人がタクシーのドアを開けようとして
「イッツオートマチック!」
と仲間らしき人に言われていたのと、昨日喫煙所でタバコを吸っていた時に日本語で話しかけてきた外国人が、美魚のタバコを見るなり
「ユウスモーキン?」
「トゥマッチ!」
と呟いた英語である。
中年が喫煙所でタバコを吸って何が悪いのか。f:id:mauymiuo:20171103103001j:plain

中野でねぶた

f:id:mauymiuo:20171028212048j:plain美魚は青森が大好きである。青森も美魚が好きなんだろうか。中野でねぶたを見た。実は動かされているねぶたを見たのは初めてである。360度ぐるーんと回すのが楽しい。篠つく雨だったのも印象に残る。
青森でいつかねぶた祭りを実際に体験するのが美魚の夢である。

壊れても慌てずに

f:id:mauymiuo:20171019220500j:plain美魚は2年くらい使用していたチェキを、家の階段から落として壊した。裏蓋が閉まらなくなり、さらにフィルムが必ず二枚ずつ勝手に出てくる。漁太郎が手縫いでカバーを作り、裏蓋の押さえにしたものの、やはり不便だ。
漁太郎は次はロモインスタントオートマットグラスなるカメラをを美魚に買い与えてくれた。それが先月のことである。
美魚はまたしてもカメラを落とした。
ぐらぐらの三脚が倒れ、レンズを強打。レンズが動かなくなってしまった。(レンズをスライドさせてオンオフするもの)
漁太郎はつめたーい目をして、
「お気楽過ぎんだろ…買ったばかりなのに」
と呟いただけで美魚を責めなかった。
もしこれが安魚の仕業だったら、美魚は目を三角にして何時までもネチネチ文句を言ってしまうだろう。
雨のなか、購入した3331アーツ千代田内のロモグラフィのお店に行く。
保証書には落下による故障は保証外と明記されていたので、まあ実費だなあと考えていたが、お店のかたは
「保証期間内ですので」
とあっさり新品と交換して下さった。
それとレンズに光の輪が入ることも話して見ると、それも交換の対象とのこと。しかもまた保証書を発行して下さった。
アフターサービスの良いことにすっかり感心してしまいました。
何かを壊すと気が滅入る。失敗する自分に嫌気がさす。取り返しはつくのに、何故だろう。買ったばかりというのもある。漁太郎は責めないというのに。責めないから許された訳でもないだろう。しかし、全て杞憂である。ちゃんと新品が手にはいったではないか。引き寄せか?
単にお店のご厚意である。
ぼんやりしていたらまた落としてしまう。気をつけよう。でもまた交換して頂けそう…。

こども園の申込み書

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ついにこの日を迎えたと美魚は思う。
こども園の30年度4、5才児短期保育の申込み書が配布された。
雨の中、傘を差してこども園に申込み書を貰いにいく。
11月に申込み書の提出、抽選、面接と続く。
抽選でまず内定の順位を決める。
募集は15人である。どのくらいの応募者があるのだろう、年によってまちまちという。
募集に満たない場合抽選はなしで、面接になるそうだ。
安魚が抽選に漏れるとは考えない。
100人の中の15人に入れる子供だ。根拠はない。
安魚は3歳。
楳図かずおの14歳をいつも連想してしまう。
子供選びの章で、3歳の運のいい子供を300人集めることになり、苛酷なテストを受けさせる。
優秀かつ運のいい子供を選びだし、宇宙へ旅立たせるお話しである。
20代で読んだときは3歳なんて赤ちゃんだろ、
バブバブ言ってるようなやつらが銃をぶっ放つなんて有り得ないと考えていたことである。
実際有り得ないのだが、本物の3歳に触れる機会を持ってみると、いざとなれば訓練次第で出来そうだとも考える。
安魚はこれまで親元でぬくぬくと過ごし、
来年ようやく外の世界に連れ出す4歳を迎える。
1年送らせたことは結果として正解であった。
安魚との濃密な日々はゆたかで、のんびりして、楽しかった。
旦那さんが仕事を辞めてからは人生で今が一番ゆたかなのではないかと思ったりする。
夕方の満員電車に、安魚とシルバーシートで申し訳なくものんびり座ってる時、自由と豊かさをしみじみ思う。
目的のない外出や、散歩は楽しい。
あーあ、それももう終るんだなあ。安魚は幼稚園に行ってしまうのか。
絵はもう少し集中できるかも知れない。

ビッケモブe

美魚は50才になった時、
ママチャリの前カゴ後ろカゴに買い物袋を満載してるような生活はしたくないと思っている。
元々買い物は旦那さんが全部やっているのでその可能性は低い。
だが、50才でその生活感は嫌だと思う。
ただ、50才になったら電動自転車を買おうと考えていた。
ところが、50才を待たずに突然電動自転車が手に入ったのである。
子細は、安魚が15キロになり、子供乗せ自転車のフロントシートに乗せるのも一苦労だし、
旦那さんと自転車で出掛けてもあっと言う間にはぐれる。
見かねた旦那さんが電動子供乗せ自転車を買ってくれたのであった。
今までの苦労は何だったのか。
50才になるまで何となく禁じていたことが馬鹿らしいのであった。
すんげえ、楽。
サイクルベースあさひ楽天市場店で、
ブリジストンのビッケモブeを購入。
待つこと賞味2週間。やっと近くの店舗に届く。
さっそく受け取りに向かい、その辺を乗り回してみた。
たが、三段階ギアがすぐスッカスカになる。
ずっと1な感じである。
1では電動アシストの醍醐味がない。
また店舗に戻り見てもらうと、
「あー…私のチェックミスです」
と店員が謝る。
ギアのパーツの初期不良らしい。
また待たねばならない。
取りあえずパーツが届くまで、がまんして乗るしかないとのこと。
まあ、そんなこともあるだろう。
電動自転車はギアがスッカスカでも楽である。
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