マウィミウオの世界

間鵜井美魚の生活雑記録

倦まず弛まず

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梅雨明けが遅れたせいだろうか、美魚の家のベランダでアシナガバチが巣作りをし始めた。
気づいた時は、巣の六角形が4つくらいだった。
やたらアシナガバチが飛んでくるなーとは、思っていた。
いつ頃完成するのだろう。どのくらいの規模で考えているのだろう。
暑さなど蜂は感じないのだろうか。器用に洗濯物を避けつつ飛んできて、せっせと作り続ける。そして向かいのアパートの屋根を越えて、また材料を取りに行く。お気に入りの泥か何かがあるんだろうか。それとも、咥えてくるのは芋虫団子で、幼虫を育てているのだろうか。始め一匹だった蜂が、今は四匹に増えている。みんな一族なのか。始めの一匹が卵を生んで、幼虫を育て、成虫になり、巣を拡張して、また卵を生むのだろうか。ここまで正味20日ほどである。
アシナガバチにとって巣は、寛ぐためでも団欒のためでもなく、ひたすらに子孫を増やすための物であるようだ。日々淡々と繰り返される拡張と繁栄。アシナガバチの暮らしをしてみたい気もする。何も考えなくて済むのは、神の愛を知っているからか。
始め巣を見た時は軽くショックを覚えたが、今は洗濯しながら観察するのが楽しい。別にいても構わないし。

魅惑の赤

f:id:mauymiuo:20190710193202j:plain漁太郎が貰ってきたシャネル。
マトラッセチェーンバッグ。赤。
本物の訳がなかろう。
ギャランティカードもなし、シリアルナンバーシールもない。それに、ダイヤというより、ひし形。
中のファスナーについているココマークは、胡散臭いこと、この上なし。
しかし美魚は、そいつがやって来てから、
毎日いじくり回している。
シャネル自体には何の興味もなかったはず。

中は悲しいくらいベタベタボロボロ。
使用に支障があるレベルだ。
だが、外側は割合キレイである。

こんなものがあるから、美魚は悩む。
なぜ、悩む?

なんか、かわいいから。

スマホで査定が出来るので、試しにやってみた。
待つこと、一時間くらいか。2社から即、丁重に断られた。
しかし3社目は、是非お譲り頂きたく、お送り下さい、と色好い返事が!来た。提示額は3万円。
夕方になり、今度は4社目から電話が来た。
「正規品なら、40万円お出しできます」
ため息がでる…。
5社目はメールで、査定額~30万円を提示してきた。

シャネルって、何なの?

正規品かもしれない、というだけで、
数十万をちらつかせてくるなんて…
なぜ美魚を惑わすの。
後から断られたら、泣いちゃうよ。

捨てちまえよ、こんなもん。

でも、可愛いンだよな…。
偽物でもいい、と考えるのは愚かである。
恥ずかしい行為である。




よし、送ってやろうじゃないの!
モヤモヤを晴らしてしまおう。
…でも、恥ずかしいなあ、断られんのが。

因みに4社目が仰るには、海外に出すので、ギャランティカードもシリアルナンバーシールも、必要ないのだそうだ。(正規品ならば)

赤マトラッセチェーンバッグは、海外では超大人気であり、垂涎ものであるとのこと。
きっと、買うのは中国のお金持ちだろうな。

迷い込んできた美魚のシャネル。

このまま堂々と使えばいいのだろう。
中は、カバン修理に出せば、まだ使えるだろう。
40万の夢をみさせてくれたなぁ。
ありがとう漁太郎。
ありがとう、これをくれた方。

お礼参りは大切

f:id:mauymiuo:20190703135203j:plain母は家出して、何日か簡易宿泊温泉を利用していたという。その間に崇敬神社に、縁切り玉を奉納したそうだ。
そのお蔭なのか、トントントーんと離婚が成立したのだし、私もその一端を担うことになっている。奔走したのは義理の息子の漁太郎である。父の車を返しに行くのも同行したし、母が経営していた店の後始末や、煩瑣な手続き等も引き受けてくれた。
忘れた頃、実の息子が、何の用なのか美魚に電話をかけてきた。しかも祖母の家の電話から。
母が云うには、兄はLINEの乗っ取りに合ってから携帯の番号も教えなくなったし、連絡は公衆電話か、祖母の家の電話を借りるのだそうだ。
「で、なんの用?」
「お母さん、美魚の所に居候してるんだろ、電話に出ないから。そこにいるか」
「今いないよ。お兄ちゃん、お母さんが、これからは一人でやって行けって言ってたよ。着信拒否してんじゃない」
明らかに狼狽する兄。
「な、なんでだよ?」
「いやー、義理の息子が奔走してくれて、上手いこと行ったよー。もう大丈夫だから」
「いや、ホントに、漁太郎さんには…で、電話したのは、おばあちゃんが、お父さんが死んだっていうからさー」
「おばあちゃん、この件で認知症がすすんじゃってさ、お父さんが死んだのに何で戻ってこないんだって、毎日凄い数かけてくるんだって。しかも、出ると聞こえないよーって切っちゃうんだって。お父さん死んでないよー」
「あー、それでお母さんでないのか」
ほっとする兄。
近いんだから自分で見に行けばいいのに。
母が自分を捨てたなんて、(46才)
信じたくないのだろう。
「じゃ、分かったから、いいよね」
美魚が切り上げようとすると、
「で、お母さんはずっとそこにいるのか?」
「仕事も見つけたし、もうすぐ旅立つけど」
「どこに?」
「それは、教えられないなー」
「何でだよ!」
だって、せっかく害虫駆除のチャンスでしょ。
父のダニ、兄の脛囓り虫。教えたらノコノコ行って、またチューチューする気か。
思えば兄は、家賃15000円の鳥の糞だらけの朽ちたアパートに住み、これ以上汚せないくらい汚い毛玉だらけの服を着て、(漁太郎談。店を片付けに行った時ついでに寄ったそう)年収50万円に満たないささやかな生活を送っている。工場のシフトを殆ど入れないのは、芸術家として、研究家として、エッセイストとして、哲学者として、時間を使うためだという。足りない分は母が出して当然だと考えている。もしくは祖母にも頼る。

世間ではそれを偉いとは言ってくれまい。
もっと働けば、と言うんだよ。
天才は理解されないのさー。
それにDV措置法で、迂闊に教えないんだよー。
兄は今お金に困っているのだな、きっと。
夜勤のシフトを増やして解決しろ。

電話を切って美魚は晴れ晴れするのであった。
思えば、母を、父と兄とにとられていた不満がある。
父がうるさいから、兄が頼りないから、おばあちゃんが娘に依存しきっているから、母は19歳で家を出た美魚には、殆ど何にもしてくれなかった。
いや、それが当たり前なのだけど。
母を取り巻く父と兄には、ずっと憎しみを感じていた。
それが今回の件で、すっきり解消出来た気がする。

締めくくりには、お礼参りである。
東京から、久々に帰郷する。
私はこんなに幸せである。
神様、ありがとうございました。f:id:mauymiuo:20190703134108j:plain

旅の終わりに

スペーシアの時間を待つ間、鬼怒川温泉をブラブラしてみる。
車窓から見た鬼怒川温泉は、潰れたホテルが続いていたが、降りてみると、それなりに楽しい。
東京に置いてきた母がLINEで
「やった!お父さんが離婚届に判押した!」
と、知らせてきた。
ほおーっ。
離婚の条件は父の車を返すこと、相続権を放棄すること。
父は以後一切の干渉をしないこと。
思ったより、離婚は簡単に片付いたと思う。f:id:mauymiuo:20190703125403j:plain

飯森山

今日で会津をあとにする。会津若松駅前からぶらぶらしばらく歩いて行くと、こ飼國神社があったので、お参りする。こ、の漢字が入力出来ない。f:id:mauymiuo:20190703121048j:plain
由緒ある神社には、よく修繕費を募る案内があったりする。一口五千円から、とのこと。
美魚は旅をしながら、もし、自分が億万長者であっら、神社に出会うたびに、修繕費を納められるのにな、何て考える。今はせいぜい小銭を賽銭箱に入れているだけ。
三泊四日で、大人二人幼児一人、80000円位の旅である。
またぶらぶら歩いて、飯森山が見えてきた。
あそこに登りたい!と安吾がいうので、渋々向かうと、エスカレーターがあるじゃーん!
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その昔この山で散った命があるという。
子供の頃、年末ドラマで観たことがある。
堀内孝雄が毎年主題歌作るんだ。

ゆるゆる降りていくと、さざえ堂があった。
木造にドキドキする。
螺旋状に登りながら、そのまま降りてくる不思議な建物だ。f:id:mauymiuo:20190703124213j:plain

塔のへつり

f:id:mauymiuo:20190703120427j:plain四日間のフリーパスがあるので、会津鉄道をぶらり途中下車も楽しい。
塔のへつりで降りてみた。
嘗て海だったために、侵食され、仏塔のように姿を変えた風景が広がるそうだが、緑が濃くて殆ど分からない。
寂しい気持ちになれるから、こんな場所が好きである
お昼を新津で食べるために再び乗車。
祇園会館で地元の料理をバイキング形式で食べて、展示物も見学する。
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また雨が強くなる。時間はゆっくりしているし、何も考えなくてすむ。
退屈がまた、楽しい。

とっことこ会津はぁ、いいっとこだぁぺぇ

喜多方をあとにして、会津若松に向かう。会津若松駅ではあかべえがお出迎え。f:id:mauymiuo:20190703112724j:plain
今日の予定は、伊佐須美神社である。
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旅の旅程は全て漁太郎に委ね、美魚は安魚と着いて行くだけで気楽なものだ。
しかも安魚の好きそうな場所には一切行かない。
途中で安魚がぐったりするのも仕方がない。
時間が余ったので、鶴ヶ城にも足を向ける。
城、歴史、あんまり興味ないけど、大きな建造物にはオーラがある。
しかも、お城には、侍がホントにいるんだねー。
凄いや!
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