マウィミウオの世界

間鵜井美魚の生活雑記録

こども園の申込み書

f:id:mauymiuo:20171017081911j:plainついにこの日を迎えたと美魚は思う。こども園の30年度4、5才児短期保育の申込み書が配布された。雨の中、傘を差してこども園に申込み書を貰いにいく。11月に申込み書の提出、抽選、面接と続く。
抽選でまず内定の順位を決める。募集は15人である。どのくらいの応募者があるのだろう、年によってまちまちという。募集に満たない場合抽選はなしで、面接になるそうだ。安魚が抽選に漏れるとは考えない。100人の中の15人に入れる子供だ。根拠はない。
安魚は3歳。楳図かずおの14歳をいつも連想してしまう。子供選びの章で、3歳の運のいい子供を300人集めることになり、苛酷なテストを受けさせる。優秀かつ運のいい子供を選びだし、宇宙へ旅立たせるお話しである。20代で読んだときは3歳なんて赤ちゃんだろ、バブバブ言ってるようなやつらが銃をぶっ放つなんて有り得ないと考えていたことである。実際有り得ないのだが、本物の3歳に触れる機会を持ってみると、いざとなれば訓練次第で出来そうだとも考える。
安魚はこれまで親元でぬくぬくと過ごし、来年ようやく外の世界に連れ出す4歳を迎える。1年送らせたことは結果として大正解であった。安魚との濃密な日々はゆたかで、のんびりして、楽しかった。漁太郎が仕事を辞めてからは人生で今が一番ゆたかなのではないかと思ったりする。夕べの満員電車に安魚とシルバーシートで申し訳なくものんびり座ってる時、不労世帯の私たちの自由と豊かさをしみじみ思う。目的のない外出や、散歩は楽しい。
あーあ、それももう終るんだなあ。安魚は幼稚園に行ってしまうのか。
絵はもう少し集中できるかも知れない。

代々木八幡宮

f:id:mauymiuo:20171010092740j:plain代々木公園からブラブラ散歩して、たまたま車口があったので、代々木八幡宮にお詣りをする。
いつでも参拝の人がちらほら途切れない神社である。初詣シーズンでは、渋谷行きのバスから見るとものすごい長蛇の列で驚く。今日は祝日でもあり、それなりの参拝客であったが、ひっそりした印象を受ける。
美魚がお詣りをしている間、後ろで参拝を待つ人がいる。何となく参拝なれした人ばかりだな、と思う。
こちらを参拝されるかたは、他人の横に立ってこないようだ。
大小関わらず神社などにお詣りにいくと、ぐいぐい空いてるスペースに入って参拝する方がよくいらっしゃるので、気が散る。
だが、こちらのお詣りはゆっくり済ませることができた。
御簾を神主が降ろす所で、丸い光が見えた気がした。ご神体の鏡だろうか。
境内をお詣りして、最後に富士塚に頭を下げる。
美魚は前回大山にお詣りした。大山と富士山は親子の神様が祭られているので、両方コンプリートすると良い、と、後から知った。富士塚に登ると富士山に登ったことになるそうだ。いつか富士山、と考えていた美魚だが、
ふらりと立ち寄った代々木八幡宮でその希望が叶い、不思議な気がすることだ。
八幡宮は心願成就をさせて下さるとのこと。
美魚の一連の願いがここで成就するだろう、と感慨深い。
最後に鳩みくじをひく。
大吉。
大吉が続くので大吉しかないような気がする。安魚が真似して引きたがる。
安魚は、吉。
おみくじにはかわいい鳩ストラップつきである。
漁太郎が毎日家にいて、3人で昼寝したり実に呑気に暮らすこと一ヶ月。
髭を剃らない漁太郎のルックスは、生え始めの昭和の泥棒さんから、尾崎紀世彦ふうに変貌した。髭に白髪が混じるのも妙味である。

ビッケモブe

美魚は50才になった時、ママチャリの前カゴ後ろカゴに買い物袋を満載してるような生活はしたくないと思っている。元々買い物は漁太郎が全部やっているのでその可能性は低い。だが、50才でその生活感は嫌だと思う。
ただ、50才になったら電動自転車を買おうと考えていた。
ところが、50才を待たずに突然電動自転車が手に入ったのである。
子細は、安魚が15キロになり、子供乗せ自転車のフロントシートに乗せるのも一苦労だし、漁太郎と自転車で出掛けてもあっと言う間にはぐれる。見かねた漁太郎が電動子供乗せ自転車を買ってくれたのであった。
今までの苦労は何だったのか。
50才になるまで何となく禁じていたことが馬鹿らしいのであった。
すんげえ、楽。
サイクルベースあさひ楽天市場店で、ブリジストンのビッケモブeを購入。
待つこと賞味2週間。やっと近くの店舗に届く。さっそく受け取りに向かい、その辺を乗り回してみたことだ。
たが、三段階ギアがすぐスッカスカになる。
ずっと1な感じである。
1では電動アシストの醍醐味がない。
また店舗に戻り見てもらうと、
「あー…私のチェックミスです」
と店員が謝る。
ギアのパーツの初期不良らしい。
また待たねばならない。
取りあえずパーツが届くまで、がまんして乗るしかないとのこと。
まあ、そんなこともあるだろう。
電動自転車はギアがスッカスカでも楽である。
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筑波山レポート

f:id:mauymiuo:20170922072322j:plain美魚はTXに乗って、漁太郎と安魚と3人で筑波山に向かった。
つくば駅から、1時発のシャトルバスに乗る。隣の席のおじいさんが、筑波山が車窓から開けるタイミングを教えてくれた。笑うと歯が四本しかない。何故かマレビトみたいに見えた。
筑波山をこんなに間近に見たのは初めてである。大きな赤い鳥居が緑の中で一際目立つ。そのおじいさんや、大半の人は筑波山神社入り口で下車。終点のつつじヶ丘まで、バスはゆっくり登って行く。カーブの度に麓の景色がチラチラ見えるだけで気分は高揚する。

そして、到着した美魚たちを、山腹の大きなガマがお出迎え。大きな観音様、大きな大黒天、大きな大仏。みんな面白おかしくて好きである。筑波山は、がまの油が有名らしい。それ故か至るところにガマである。ここからロープウェーで女体山に登れる。

ロープウェーではいつも来てそうな軽装のおじさんが二人。あとは美魚たちだけだ。霞ヶ浦が見下ろせる。あれなんだろう、と話しているとツルツル坊主のおじさんが
霞ヶ浦だよ」
と教えてくれた。遠く、つまようじのようなスカイツリーも見分けられたことだ。

ロープウェーを降りて、石段を登る。山頂付近は青っぽい岩を積み重ねたもので、よく滑る。
山頂のイザナミ神社にお詣りする。ハイキングコースの先には男体山がある。そちらにはイザナギ神社があるそうだか、時間の都合でお詣りを断念した。山頂から下界を見下ろすだけでも気持ちがリセットされる気がする。霞ヶ浦を教えてくれたおじさんは、既に特等席の突端の岩に腰掛けていた。今度はこの人が天狗に見える。ここの岩もすべすべなので注意が必要である。あっ、目の前で男の人が滑って転倒した。カメラが水溜まりに……。

遠景の美しい筑波山。3歳児の安魚を連れて、ゆっくり登るのにぴったりである。平日なので人も疎らである。途中がまの形をした岩があり、小石を口に入れると金運がアップするそうで、美魚もチャレンジする。投げ上げるので難しい。小さい石に変えると成功した。欲張るなと言うことか。

女体山を降りると男体山まで平坦な場所が開ける。ケーブルカーもここから乗れる。食堂のソフトクリームで小休止する。もう5時が近い。既に店じまいが始まり、男体山の影が広がり始めると肌寒い。

ケーブルカーで下山し、筑波山神社にお詣りをする。美魚のお目当てはここである。風格のある美しい本殿。こちらにお詣りに来られることが既にパワーなのだと感じる。境内を散策するのも楽しい。裏手に大杉を見上げる。抱擁し、生命力を分けて頂く。
ケーブルカーで降りる途中にも大きな杉が何本も見えた。こんな杉をいつか大きな神社を作るのに使うのだろうか。査定人が全国行脚して探すと言うのを聞いた事がある。

参拝を済ませて、ゆるゆると境内を降りて行く。筑波山神社入り口のバス停に向かう。
大きな赤い鳥居の中に、美しい夕陽がすっぽり収まっていた。今日も一日太陽の恵みは惜しみなく降り注がれた。見上げる空には、いつも龍の形をした雲がある。
神とは太陽だな、と、この頃美魚は感じる。これまで太陽は日焼けをさせる憂鬱なもので、日差しを避けることばかり考えていたが、今は多少肌が焼けても毎日パワーを体感したいと思うようになる。一応日傘は差す。

パワースポットと呼ばれる場所は巡るだけ御利益がありそうで楽しい。
だが、時々そのフトコロで働く人たちの無感動な表情が印象に残る。パワースポットで毎日働いていても、それはただの日常に過ぎないのか。お土産店や食堂の店員さんや、係員さん。パワーに溢れているようには見えないこともある。生業なんてものは単調に過ぎないものだが、覇気のなさが気になる。余計なお世話だ。
物見遊山は本人にはリアルが充実かも知れないが、美魚はあまり浮かれすぎないようにしたいと思う。f:id:mauymiuo:20170922080659j:plain

大山詣で

f:id:mauymiuo:20170915093841j:plain漁太郎は幼い頃、父親とよく相模の大山に登ったそうである。父親や、家族と出かけた記憶が沢山あり、羨ましい。
漁太郎が仕事を辞めたので毎日美味しいご飯が出てくる。美魚は料理は苦手である。ふらりと散歩がてら毎日出掛ける。虎の子の郵貯で、買い物したり、なんかもう3億円を使っている気がしてくる。

先日もふらりと小田急線に乗って、大山阿夫利神社にお参りをした。
山に行くと心が開く気がする。伊勢原駅からバスでケーブルカー駅まで行き、もう乗れるのかと思ったら長い石段を登る。両脇にずらりとお店が並んでいて、近場であることを忘れさせる。遠い観光地まで旅をしたようで楽しい。
ケーブルカーに乗るのは四年ぶりである。四年前箱根の強羅温泉に行くとき乗ったなあ。そしてお土産は安魚だったなあと懐かしく思い出す。

大山阿夫利神社下社に、安魚の3歳の報告と健やかな成長を願い、美魚はちゃっかり引っ越しも祈念する。
ゴマ木のお炊き上げに引っ越しましたと過去形で書いてみた。相変わらず引き寄せにこだわる。安魚がその間に引いてきた御神籤は大吉。美魚は霊験を早くも感じていたことだ。
願いごと、時来れば叶う。
家移り、急がぬがよい。
急ぎたくても今は急げないが。
神泉も頂く。大山のパワーが染み透るようで元気が出たことだ。

大山に行ってから数日間、山の緑を反芻して楽しむ。安魚もまだ小さいので下社のみのお参りであったが、いずれは本社に詣でたい。大山阿夫利神社には人を元気にさせるパワーがある。
今漁太郎は毎日家にいて、現実には収入ゼロ。なのにこんなに楽しいのはなぜだろう。不思議なくらい不安がない。
貯金て、大事だなぁ。
やっぱり、大山詣でのお陰かなぁ。

毎日は過ぎて行く

f:id:mauymiuo:20170923091512j:plain美魚は7月から今日まで家を買うためにせっせとお金を作ってきた。自分で銀行口座を開設して、毎日預金をする。既に3億円は目前である。お金は全てフリーペーパーや広報、チラシ、古雑誌など、紙なら何でも一万円サイズに切り取り、100枚の束にした。上皮だけは万札にしたいところ。アタッシュケースに詰められた偽の身代金みたいなやつ。でもそんなに現金がないので諦める。
冷静になれば馬鹿馬鹿しくて涙も出よう。だが、美魚は本気で3億枚近くを数えたことだ。もう何も手に付かない。紙は全てお金に見えた。紙は神である。
段ボール二箱がぎっしり札で埋まっている。
さあ、金なら持っている。
お金は有るところにしか流れてこない。お金が欲しかったらあるように振る舞え。など、引き寄せの本には書いてある。美魚は素直に実行した。
あとは忘れておくことである。

漁太郎が突然仕事を辞めたのも引き寄せの一環だと思う。引っ越すときは辞めてもらうつもりだった。
だが、午前中にいきなり帰ってきて、
「会社辞めてきた」
は、ちょっとだけ驚く。
「へーっ……何で?」
「支店長とケンカしたから」
「ふーん…」
接ぎ穂がないのでそれきりである。
安魚はおたんがずっと居るので楽しそうだ。
美魚は3億円くらいお金を作って気が済んだことだし、また絵を描き始めることにした。

言霊とたわごとの違い

f:id:mauymiuo:20170908071935j:plain美魚は引っ越しがしたい。いろんな不動産サイトを眺めて家探しをするのが楽しい。昔住んでいたアパートの側に、8480万の物件を見つけた時は、毎日画像を眺めて妄想に耽ったことだ。思い続け、夢にも見る。実際その家の外観も見に行ったりして、もうすっかり住んでいるつもりでいた。が、売れてしまった。8480万の家をリアルで買える人がいるんだなあと改めて感嘆の声をあげたことである。
固定資産税や都市計画税で毎月20万近く払うなんて馬鹿馬鹿しいと貧乏人は思う。昔住んでいた部屋の家賃は64000円で1Kだった。その目と鼻の先の128平米の家は、中古でこの値段。あの頃何気なく歩いた家並、その持ち主たちがアパートの住人のゴミ出しにうるさい理由は、高い税金払ってるせいだったのだろうか。
毎日家探しをしていると、安魚もあれこれ口を出し始める。散歩中にマンションを指して
「安魚あの家がいい」
などという。
「マンションはやだなー他人が多すぎるから」
美魚が答えると漁太郎は
「イメージが貧困だね。安魚はあれ全部っていってんだよ」
と訂正する。あー、確かに。
美魚は4Kでいいのである。3人分の個室と居間があれば、リビングダイニングなど要らない。和室がひとつあればちゃぶ台を出して、寝るときは布団を敷くから。5LDKSなんて家は元から広すぎる。
漁太郎が仕事で留守の間に物件を見ながら、早く引っ越ししたいねーと言いすぎたと思う。安魚もその気になってしまった。帰ってきた漁太郎に
「引っ越すときあれもってっていい?」
「引っ越したら」
「引っ越すときは」
などと繰り返し確認するのでついに
「いつまでも引っ越し引っ越しいってんじゃないよ!現状に満足しろ!」
怒らせてしまったことだ。美魚に怒っているのである。
毎日美魚は引っ越すよ、引っ越そうね、と口にして、言霊を発動させようと考えていたのだが、曖昧な妄想ではダメなんだろうか。安魚に釘をさす。
「あんまりお父さんに引っ越すっていっちゃダメだよ。今すぐじゃないからね」
安魚はわざわざ漁太郎の側に行き確認する。
「おたんにあんまり引っ越すっていっちゃダメなんだよね、おかん?」
あー…3歳にはまだ分からないな。漁太郎の現状に満足しろ!は全てを停止させてしまう。つまらない。この家を買った時は嬉しくて家中の襖に絵を描いたことだ。住めるだけ住んだらまた引っ越す、美魚は始めからそのつもりなのだ。